攻略ポイント②乙種第4類(乙4)危険物取扱者・試験対策! 合格のポイント!移動タンク貯蔵所(移送基準含む)

前進あるのみ!【法令】移動タンク貯蔵所(タンクローリー)についての合格のポイントを解説する!容量は30,000L以下、標識の掲示など。

       

移動タンクに保安監督者必要なし

乙子

脇本師範

脇本師範

Contents

移動タンク貯蔵所に保安監督者は必要ありません

 

*移動タンク貯蔵所とは、主にタンクローリーのことを指す。

 

危険物保安監督者が必要な第四類危険物施設一覧を示します。

保安監督を必要とする施設

女子大生

危険物の規制に関する政令第三十一条の二

 

法第13条第1項 の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、製造所等のうち次に掲げるもの以外のものとする。


1 屋内貯蔵所又は地下タンク貯蔵所で、指定数量の倍数が三十以下のもの(引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを貯蔵し、又は取り扱うものに限る。)


2 引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを貯蔵し、又は取り扱う屋内タンク貯蔵所又は簡易タンク貯蔵所


3 移動タンク貯蔵所


4 指定数量の倍数が三十以下の屋外貯蔵所


5 引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを取り扱う第一種販売取扱所又は第二種販売取扱所


6 指定数量の倍数が三十以下の一般取扱所(引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを取り扱うものに限る。)で次に掲げるもの


イ ボイラー、バーナーその他これらに類する装置で危険物を消費するもの


ロ 危険物を容器に詰め替えるもの」
と明記されています。

 

移動タンク貯蔵所には予防規程は、必要ありません

 

予防規程を定めなければならない危険物施設を表にまとめました。

予防規程を定める場合

 

必ず予防規程を定める必要のある施設

 

・給油取扱所

・移送取扱所

 

給油取扱所と移送取扱所とでは、指定数量に関係なく必ず定める必要があります。

 

それ以外は、一定の製造所等で一定の指定数量以上の場合に必要となるので、全ての危険物施設で必要となる訳ではありません。

予防規程

 

 

 

脇本師範

指定数量次第で定めなければならない製造所等と指定数量にかかわらず定めなくてよい製造所等


危険物の規制に関する政令第七条の三「 法第11条第7項 (法第11条の4第3項 において準用する場合を含む。)の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、次に掲げる製造所等とする。


一 指定数量の倍数が十以上の製造所


二 指定数量の倍数が百五十以上の屋内貯蔵所


三 指定数量の倍数が二百以上の屋外タンク貯蔵所


四 指定数量の倍数が百以上の屋外貯蔵所


五 移送取扱所


六 指定数量の倍数が十以上の一般取扱所(第三十一条の二第六号ロに規定するものを除く。)」
危険物の規制に関する政令第三十七条「法第14条の2第1項の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、第七条の三各号に掲げる製造所等又は給油取扱所のうち、総務省令で定めるもの以外のものとする。」と明記されています。


よって、第七条の三の一 ~ 六号の製造所等と給油取扱所で予防規程が必要となります。
したがって、すべての危険物施設で予防規程を定める必要はありません。

 

関係する法律

消防法第14条の2第1項「政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の火災を予防するため、総務省令で定める事項について予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。」

移動タンク貯蔵所は、貯蔵する危険物の品名や倍数にかかわらず定期点検を実施し、記録を保存しなければならない

 

定期点検をしなければならない危険物施設の表を以下に示します

(危険物の規制に関する政令第八条の五)

定期点検が必要な施設

定期点検及び記録の保存が必要な施設


・指定数量の倍数が十以上の製造所


・指定数量の倍数が百五十以上の屋内貯蔵所


・指定数量の倍数が二百以上の屋外タンク貯蔵所


・指定数量の倍数が百以上の屋外貯蔵所


・移送取扱所


・指定数量の倍数が十以上の一般取扱所


・地下タンクを有する製造所


・地下タンク貯蔵所


・移動タンク貯蔵所


・地下タンクを有する給油取扱所


・地下タンクを有する一般取扱所

 

以上が、危険物の規制に関する政令第七条の三、第八条の五に定められた、定期点検及び記録の保存が必要な具体的な危険物施設になります。

女子大生

 

 

脇本師範

定期点検(1年に1回以上実施し、記録は3年間保存)

 

定期点検を実施できる者

危険物取扱者危険物施設保安員が行わなければなりません。

ただし危険物取扱者の立ち合いのもとでは、危険物取扱者以外でも行えます。

地下貯蔵タンク、地下埋没配管、移動貯蔵タンクの漏れ試験は、点検方法に関する知識および技能を有する者が行わなければいけません。

 

 関係する法律

消防法第14条の3の2「政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、これらの製造所、貯蔵所又は取扱所について、総務省令で定めるところにより、定期に点検し、その点検記録を作成し、これを保存しなければならない。」と明記されています。

移動タンク貯蔵所の常置場所は、保安距離・保有空地は必要ありません

 

保安距離の必要な施設は下表の通りです。

保安距離が必要な場合

危険物の規制に関する政令により保安距離が規定されています


・製造所(第九条)

・屋内貯蔵所(第十条)

・屋外タンク貯蔵所(第十一条)

・屋外貯蔵所(第十六条)

・一般取扱所(第十九条)

の5つです。


そのため、移動タンク貯蔵所は該当しません。

 

保安距離の目的

保安距離は、危険物の規制に関する政令により規定されおり、火災や爆発などの災害から周囲の保安対象物(住宅や学校、重要文化財など)を守るために確保する距離です。

脇本師範

 

保有空地を必要とする施設


・製造所

・屋内貯蔵所

・屋外タンク貯蔵所

・簡易タンク貯蔵所(屋外に設置する場合)

・屋外貯蔵所

・移送取扱所

・一般取扱所

 

保有空地の目的

延焼防止のため、消防活動のための空地です。(*幅は施設により異なります)

女子大生

 

関係する政令

「危険物の規制に関する政令第九条の二 危険物を取り扱う建築物その他の工作物の周囲に、以下の表に掲げる区分に応じそれぞれ下表に定める幅の空地を保有すること。ただし、総務省令で定めるところにより、防火上有効な隔壁を設けたときは、この限りでない。」

保有空地を必要とする施設とその幅

保有空地が必要な場合

保有空地が必要な施設は、保安距離が必要な施設(製造所、屋内貯蔵所、屋外貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、一般取扱所)に加え、簡易タンク貯蔵所、移送取扱所(地上設置)の7つです。

*タンク貯蔵所のうち屋外タンク貯蔵所屋外にある簡易タンク貯蔵所のみ保有空地が必要です。

 

移動タンク貯蔵所の基準

移動タンク

 

危険物の規制に関する政令第十五条(主に移動タンク貯蔵所の構造について)

 

一  移動タンク貯蔵所は、屋外の防火上安全な場所または壁、床、はりおよび屋根を耐火構造とし、もしくは不燃材料で造った建築物の一階に常置すること。


二  危険物を貯蔵し、または取り扱う車両に固定されたタンクは、厚さ3.2mm以上の鋼板またはこれと同等以上の機械的性質を有する材料で気密に造るとともに、圧力タンクを除くタンクにあっては70kPaの圧力で、圧力タンクにあっては最大常用圧力の1.5倍の圧力で、それぞれ十分間行う水圧試験において、漏れ、または変形しないものであること。


三  移動貯蔵タンクは、容量を30000L以下とし、かつ、その内部に4000L以下ごとに完全な間仕切を厚さ3.2mm以上の鋼板またはこれと同等以上の機械的性質を有する材料で設けること。


四  前号の間仕切により仕切られた部分には、それぞれマンホールおよび安全装置を設けるとともに、厚さ1.6mm以上の鋼板またはこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造られた防波板を設けること。


五  移動貯蔵タンクのマンホールおよび注入口のふたは、厚さ3.2mm以上の鋼板またはこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造ること。


六  移動貯蔵タンクに可燃性の蒸気を回収するための設備を設ける場合にあっては、当該設備は可燃性の蒸気が漏れるおそれのない構造とすること。


七  マンホール、注入口、安全装置等がその上部に突出している移動貯蔵タンクには、当該附属装置の損傷を防止するための装置を設けること。


八  移動貯蔵タンクの外面には、さびどめのための塗装をすること。

九  移動貯蔵タンクの下部に排出口を設ける場合は、当該タンクの排出口に底弁を設けるとともに、非常の場合に直ちに当該底弁を閉鎖することができる手動閉鎖装置および自動閉鎖装置を設けること。ただし、引火点が70℃以上の第四類の危険物の移動貯蔵タンクの排出口または直径が40mm以下の排出口に設ける底弁には、自動閉鎖装置を設けないことができる。


十  前号の手動閉鎖装置には、レバーを設け、かつ、その直近にその旨を表示すること。


十一  底弁を設ける移動貯蔵タンクには、外部からの衝撃による底弁の損傷を防止するための措置を講ずること。


十二  移動貯蔵タンクの配管は、先端部に弁等を設けること。


十三  移動貯蔵タンクおよび附属装置の電気設備で、可燃性の蒸気が滞留するおそれのある場所に設けるものは、可燃性の蒸気に引火しない構造とすること。


十四  ガソリン、ベンゼンその他静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物の移動貯蔵タンクには、接地導線を設けること。


十五  液体の危険物の移動貯蔵タンクには、危険物を貯蔵し、または取り扱うタンクの注入口と結合できる結合金具を備えた注入ホースを設けること。この場合において、当該結合金具は、真鍮その他摩擦等によって火花を発し難い材料で造らなければならない。


十六  ガソリン、ベンゼンその他静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物の移動貯蔵タンクのうち計量棒によって当該危険物の量を計量するものには、計量時の静電気による災害を防止するための装置を設けること。


十七  移動貯蔵タンクには、当該タンクが貯蔵し、または取り扱う危険物の類、品名および最大数量を表示する設備を見やすい箇所に設けるとともに、総務省令で定めるところにより標識を掲げること。標識を以下に示す。

掲げるべき標識

 

移動タンク貯蔵所による移送と容器での運搬の違いを理解しよう

危険物運搬、移送などのまとめ

移動タンク貯蔵所は、設置許可が必要な危険物事業所に該当します。

タンクの交換や、修理する場合は、その都度市町村長等の許可が必要になります。

 

許可内容に変更を生じた場合は、届出が必要となります。

・品名や数量の変更は、変更の10日前までに(事前申請が必要)

・所有者の変更は、変更後に遅滞なく(事後申請が可能)

 

・移動タンク貯蔵所で危険物を移送する場合は、免状の携帯が必要です。

・移動タンク貯蔵所に乗車中は危険物取扱者免状の携帯が義務づけられています。

(危険物取扱者免状不携帯は、30万円以下の罰金となる場合があります。)

・免状を事務所で保管していけません。(ただし、ガソリンの移送でも丙種で移送することができます。)

 

容器で運搬する場合は、手続きは必要ありません。(許可も届出も不要です。)

 

危険物の運搬で定められていること

・指定数量以上の危険物を運搬する場合でも、危険物取扱者の免状は不要ですが、容器、積載方法、運搬方法は、政令で定められた基準があり、違反した場合は、数量にかかわらず刑罰の対象となります。

・正当な理由もなく、危険物をバケツやペットボトルで持ち歩くことは法律で禁じられています。(品名や数量が記載されている、その危険物に適応する容器でなければ運搬することはできません。)

・運搬する容器の材質として、金属、プラスチック、ガラス、ゴムは使用できます。

・陶器での運搬は禁止されています。

 

なお、違反した場合は下記のような刑罰の対象となります。

運搬義務違反

女子大生

 

移動タンク貯蔵所の常置場所

 

・防火上安全な建築物の1階に駐車する。(地階は禁止)

 

移動タンク貯蔵所に不要なもの

 

・保安監督者

・予防規程

・警報設備

・保安距離、保有空地

・保安検査

 

移動タンク貯蔵所の消火設備

 

第5種小型消火器のみ設置すればよい。(2個以上

 

移動タンク貯蔵所に備え付けなければならない書類

 

・完成検査済証

・定期点検記録

・譲渡、引渡しの届出書

・品名変更の届出書

(※許可書は備え付けなくてもよい)

確認問題

確認問題

移動タンク貯蔵所には予防規程が必要である。⭕️か❌か。

 

正解 ❌

女性大生

 

脇本師範

まとめ

まとめ

当ページでは、危険物取扱者免状(乙種第4類危険物取扱者免状)を取得するための情報(主に移動タンク貯蔵所について)を法令を元に記載いたしました。

既に資格を取得されており、改めてタンクローリーなどの運転、給油等に関連する実務を安全に開始する際の時などのご参考にもなれば幸いです。

他にも、乙種第4類危険物取扱者免状を取得するために知っておくべき法令、製造所等の引渡、製造所等の使用が停止の措置を命じられる場合などについても記載して予定です。

なお、移動タンク貯蔵所の出題ポイント情報はサイトマップのページにも記載していく予定です


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