危険物取扱者試験に合格する方法(法令編)

そもそも、危険物取扱者という国家資格は、何故必要なのでしょうか?

 

危険物は、1類から6類まで6分類されています。

 

 

 

 

 

 

危険物と言っても、単独では燃えない不燃性の物品もあります。(硝酸・6類)

逆に、可燃性物質でも1気圧、常温(20℃)で気体状の物品は危険物には該当しません。(プロパン)

 

危険物は、危険性により指定数量が定められています。

(ガソリンは200Lです。)

 

指定数量以上の危険物を取扱う事業所では、政令で定められた貯蔵、取扱い基準を守らなければなりません。

 

事業所の敷地内で従業員(スタッフ)が危険物を取扱う場合は、数量に関係なく免状、又は甲種か乙種の免状保持者の立会いが必要となります。

 

危険物取扱者の免状を取得する意義

 

指定数量以上の危険物を取り扱う施設(ガソリンスタンド、タンクローリー等)で危険物を取り扱う場合は、たとえ指定数量未満の危険物を取り扱う場合でも危険物取扱者の免状、又は甲種か乙種危険物取扱者の立ち会いが必要です。

 

違反した場合は、罰則規定があります。

 

罰則規定

 

製造所等における危険物取扱者以外の者の危険物の取扱いは法律により禁じられています。(甲種又は乙種危険物取扱者の立ち会いがない場合)

 

6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(消防法第13条第3項)

 

しかし、事業所以外の場所であっても、危険物を持ち運ぶ場合は、容器、積載方法、運搬方法は政令で定められた基準を守らなければいけません。

 

ガソリンを、ペットボトルやバケツで持ち運んでいる場合は、刑罰の対象になります。

 

業者だけではなく、一般の人にも適用される運搬基準

 

容器、積載方法、運搬方法は政令により規制される。(両罰規定適用)

3月以下の懲役又は30万円以下の罰金(消防法第43条第1項2号)

「両罰規定」(消防法第45条)とは、従業者が、事業主の業務について違反行為を行った場合、違反行為した従業者を罰するとともに、事業主も罰することを定めた規定。

 

事業所を設置する場合、事業主(所有者)は法令に基づき、行政庁の「許可」が必要となります。

 

「申請」手続き

 

許可:法律上禁止されていることを許す

認可:ある行為に行政が同意を与えて法的な効力をもたせる

承認:行政の肯定的な意思表示

 

そもそも「申請」とは、「法令に基づき、行政庁の許可、認可、免許その他の自己に対し何らかの利益を付与する処分(以下「許認可等」という。)を求める行為であって、当該行為に対して行政庁が諾否の応答をすべきこととされているもの。」です(行政手続法第2条第3号)。

 

これに対し、「届出」とは、「行政庁に対し、一定の事項の通知をする行為(申請に該当するものを除く。)であって、法令により直接に当該通知が義務付けられているもの(自己の期待する一定の法律上の効果を発生させるためには当該通知をすべきこととされているものを含む。)」をいいます(第2条第7号)。

 

行政庁に対する行為である点では共通ですが、行政庁の諾否の応答が予定されているか否かという点で大きく異なります。

 

つまり、申請はその内容を審査し、許可・不許可の判断などをしますが、届出の場合は、単に届出の通知をすれば手続としては完結するのであって、不許可といった処分がされるものではありません。

 

取扱う品名、数量、指定数量の倍数を変更する場合は、変更する10日前までに、市町村長等に「届出」が必要となります。

 

許可や届出に基づく危険物以外の物品を取扱うことは、法令により禁止されています。